改訂新版 世界大百科事典 「プーズー」の意味・わかりやすい解説
プーズー
pudu
Pudu pudu
偶蹄目シカ科の哺乳類。シカ科中最小の種。シカ類としては四肢と首が短く,小型シカ類のつねとして比較的太い胴は背中が弓形に湾曲する。枝分れしない長さ5cm以下の短い角をもつ。体色は灰色から赤褐色ないし暗褐色。マメジカ類よりもわずかに大きい程度で,体長78~93cm,肩高32~42cm,尾長2~3cm,体重7~10kg。チリ,アルゼンチン南部のアンデス,チロエ島に分布。森林あるいは茂みに単独,つがい,あるいは小さな家族群ですみ,植物を食べる。雌は妊娠期間7ヵ月で,11~1月に1産1~2子を生む。子には肩から尾の付け根にかけて,3本の淡色の斑点の列がある。3ヵ月で成獣とほぼ同じ大きさに成長し,1年で性的に成熟する。
近縁の種に,アンデスの標高3000~4000mの高地にすむ,やや大型のオナシプーズーP.mephistophilesがある。
執筆者:今泉 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報