ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘルダーリーン」の意味・わかりやすい解説
ヘルダーリーン
Hölderlin, Johann Christian Friedrich
[没]1843.6.7. テュービンゲン
ドイツの詩人。テュービンゲン大学神学科に在学中,ヘーゲル,シェリングと親交を結び,フランス革命に共鳴,シラーの影響下に,いわゆる「人類の理想に寄せる賛歌」を書いた。 1795年末から2年9ヵ月にわたりフランクフルトの銀行家ゴンタルト家の家庭教師を務め,同家の夫人ズゼッテとの愛により詩境にも飛躍的発展をみた。 1800年以後はスイスやフランスのボルドーで家庭教師を務めるなど安定を欠く生活が続いたが,この間に壮大な詩作品が生まれた。 1802年頃から精神に異常をきたし,後半生はテュービンゲンで狂気の闇に閉ざされて過ごした。作品は小説『ヒュペーリオン』 Hyperion (1797~99) ,戯曲『エムペドクレス』 Der Tod des Empedokles (1798~99,未完) のほか,賛歌,悲歌,頌歌など多数。
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