ベルダンの戦い(読み)べるだんのたたかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルダンの戦い」の意味・わかりやすい解説

ベルダンの戦い
べるだんのたたかい

第一次世界大戦での一戦闘(1916年2~12月)。西部戦線では1914年9月のマルヌの戦い後、戦線膠着(こうちゃく)して1年半を経過していた。フランスが消耗の限界に達しているとみたドイツ側は、ここで決戦を挑むべく、攻撃目標をパリ進撃への一大障壁たるベルダンVerdunの要塞(ようさい)に定めた。戦初はドイツ優勢の局面もみられたが、最終的にはペタン将軍指揮下のフランス側の要塞防衛を突き崩すことはできなかった。6月24日から始まったソンムの戦いでの英仏の攻撃、東部戦線ガリツィアにおけるロシア軍の大攻勢もドイツ軍の戦力をそいだ。このベルダン攻略の失敗が大局的には大戦の帰趨(きすう)を決めた。また双方70万人の死傷者を出すなど、人的・物的消耗の規模の大きさでも近代戦への画期をなした。

[柳田陽子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android