日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホウオウゴケ」の意味・わかりやすい解説
ホウオウゴケ
ほうおうごけ
[学] Fissidens japonicus Doz. et Molk.
コケ植物ホウオウゴケ科の代表的な種。低地から山地の流水際の岩上に群生する。植物体は長さ3~7センチメートルで、緑色ないし緑褐色。表面にはつやがある。葉は茎の左右に2列につき、長さ3~6ミリメートル。葉の片側は二重になっており、茎を包むようにつく。雌雄異株。胞子体は茎の上部から出る。名の由来は、植物体の形を想像の鳥である鳳凰(ほうおう)の尾に見立てたことによる。
ホウオウゴケ科の種類の総称として「ホウオウゴケ」の語が使われる場合も多い。この科の植物は、いずれも同じような形をしているが、大きさは、1ミリメートル前後のものから2~3センチメートルのものまでとさまざまである。一般に日陰地の湿った地上や岩上に生え、日本では約40種が知られる。
[井上 浩]