ホウビシダ(読み)ホウビシダ(英語表記)Asplenium unilaterale

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホウビシダ」の意味・わかりやすい解説

ホウビシダ(鳳尾羊歯)
ホウビシダ
Asplenium unilaterale

チャセンシダ科の常緑性シダ植物で,ヒメクジャクシダともいう。アジアの暖帯から熱帯に広く分布し,ハワイ,ポリネシア,西アフリカにも分布する。暖地に多く陰湿な林下の岩壁などに多数群生し,葉を下垂する。根茎は青緑色で長く匍匐し,鱗片を密につける。葉は長さ 40cm前後に達し,葉身は薄い草質の1回羽状複葉で根茎にまばらにつき,羽片のうしろ側はほとんど発達しない。葉柄中軸光沢のある紫褐色で,葉柄基部には灰褐色の薄い鱗片をつける。近縁種にヤクシマホウビシダ A. obliquissimum,ウスバクジャクシダ A. cheilosorumなどがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホウビシダ」の意味・わかりやすい解説

ホウビシダ
ほうびしだ / 鳳尾羊歯
[学] Asplenium unilaterale Lam.

チャセンシダ科の常緑性シダ。ヒメクジャクシダともいう。根茎は緑色を帯びて、細く横走する。葉のつき方はややまばらで、葉身は単羽状に分裂して披針(ひしん)形となる。薄い草質で、羽片は上半分が発達した鎌(かま)形である。葉身、葉柄ともに、つやのある紫褐色。胞子嚢(のう)群は脈に沿って辺縁近くまで線形につき、包膜も同様に線形をしている。関東地方南部から南の暖地に多く、山中の陰湿な林下に生ずる。

[西田治文]

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