日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホピ」の意味・わかりやすい解説
ホピ
ほぴ
Hopi
アメリカ合衆国、アリゾナ州北東部に住むプエブロ集団の一つ。言語はユト・アステカ語族のホピ語。集落はメサmesaとよばれるテーブル状の切り立った台地の上にあり、石と日干しれんがの大きなアパート式共同家屋を建てて住んでいる。生業は農業で、トウモロコシ、カボチャ、豆類などを栽培する。そのほか、籠(かご)細工、織物、土器作りに巧みである。出自は母系で、いくつかの母系氏族に分かれる。結婚は氏族外婚制、妻方居住婚をとる。6歳から8歳ぐらいになるとなんらかの儀礼に加入する。男だけが参加できるカチナ儀礼は、冬至から翌年の7月末まで定期的に催され、祖先神、精霊、雲などを表す仮面をつけ、ひょうたんでつくった楽器と歌で踊り、雨と豊作を祈願する。スペイン人によるキリスト教の強制後も、キバkivaとよばれる地下聖堂を中心に固有の宗教を守り続けた。人口は1970年代に約6000人。
[板橋作美]