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口紅 くちべに

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

口紅
くちべに

化粧品の一種。口唇に塗って,顔に色彩効果を与えたり,口唇の荒れを防ぐために用いる。古代エジプト時代から最も一般的に使われた化粧品である。古くは泥状であったが,今日では棒状のものが主になっている。原料は蜜ろうひまし油カカオ脂ラノリン,香料,着色料が使われる。

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デジタル大辞泉の解説

くち‐べに【口紅】

化粧のために唇に塗る紅。ルージュ。
器物の縁、特に陶磁器の口縁を赤く彩色すること。また、彩色したもの。

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百科事典マイペディアの解説

口紅【くちべに】

唇(くちびる)に色と光沢を与え,また乾燥を防ぎ,形を美しく見せる化粧品。古くはベニバナを絞って作るが用いられたが,現在は洋風の棒状口紅(リップスティック)が主で,ほかにクリーム状もある。

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デジタル大辞泉プラスの解説

口紅

金魚の体色の名。口先だけが紅をさしたように赤いもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

くちべに【口紅】

唇を美しく彩り,輪郭をととのえると同時に,唇の荒れを防ぐための化粧品。古くは植物性の染料をそのまま使っていたが,現代では主として色素(顔料,染料)を油脂と蠟との混融基剤に混和したものを棒状にした棒紅(ぼうべに)(リップスティック)と,容器に流し込んだ練紅(ねりべに)とがある。古代エジプトやメソポタミアでは,唇や頰は赤色黄土やヘンナベニバナ(紅花)からとった染料で彩っていた。また,古代ギリシアでは,ムラサキ科のアルカンナAlkanna tinctoriaからとった紅色染料や天然の朱が使われていた。

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大辞林 第三版の解説

くちべに【口紅】

化粧品の一。唇に塗る紅。ルージュ。
器物の縁に赤い彩色を施すこと。特に、陶磁器の口縁に赤褐色の鉄釉てつゆうを施すこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

口紅
くちべに

(くちびる)に塗る化粧品。フランス語はルージュrouge。おもに赤系統の色彩で魅力的、健康的にみせるものと、つやを与えるものなどがある。油性の基剤と着色料からなり、スティック(棒)状、軟膏(なんこう)状、液状のものなどがあるが、スティック状のものがもっとも多く使われている。[横田富佐子]

西洋

口紅といえば今日ではほとんどが棒口紅(リップスティックlipstick)であるが、西洋では、紅(べに)(ルージュ)が頬(ほお)と唇の両方に塗る化粧品として、ごく近い時代まで用いられてきた。唇に彩色したり形を整える口紅化粧の起源はさだかでないが、古代エジプトにはすでにクリーム状の紅があり、唇にも用いていた。しかし、エジプトの化粧は目の彩色が主であった。ギリシアでは、茶系の赤や暗い紫色の紅で唇を彩り、紅は、海藻、桑の実、紫貝、辰砂(しんさ)(赤色硫化水銀)などでつくられた。紅は引き続きローマでも使用され、また中世でも、スパニッシュウール(赤い色をつけた布テープ)が登場したが、紅は唇よりも頬を赤くする化粧品であった。
 口紅の風習が一般化するのは14~16世紀のことで、ルネサンスのイタリアを中心に化粧が復活して、細く赤く塗った唇が美女の条件の一つとなった。当時の紅は、辰砂、アカネ、ベニバナ、コチニール(カイガラムシの一種)などを原料にしている。17世紀には赤い色をつけたポマードが唇にも用いられ、今日の口紅の原料となった。イギリスで紅をルージュとよぶようになったのは1753年ころからで、フランスの影響によるものであった。紅を主とするメーキャップは18世紀末まで続くが、依然として紅は唇よりも頬を赤く染めるものであった。
 20世紀に入ると、さまざまな流行色の口紅が女性の風俗に大きな変化を与えた。アメリカでスライド式のリップスティックが登場したのは1915年、その後ドイツで合成染料によるルージュがつくられ、口紅の品質は絶えず改良される一方、容器や内容にも新しいモードが生まれて今日に至っている。
 口紅の形状は、棒口紅のほかに、リップペンシル(鉛筆型)、クリーム状口紅(パレット型も)、液状口紅がある。関連製品にはリップグロス、リップシャイン、リップラスター、リップクリーム、リップファンデーションなどがある。[平野裕子]

日本

わが国には高麗(こま)僧の曇徴(どんちょう)により610年(推古天皇18)にもたらされたという。中国では燕(えん)の国で産出され、ベニバナの汁を絞って紅をつくった。室町時代の絵巻物である『七十一番職人尽』のなかに、紅解粉という紅売りの姿がみられる。紅餅(べにもち)から紅をつくるのには、寒(かん)のときがもっともよいとされ、これを寒紅といった。
 江戸時代中期以降になると、寒に売りにくるのを愛用することがはやり、また女性相手の商家では、黒の素焼の臥丑(ねうし)の底に紅を塗って、これを寒紅とか丑(うし)紅といって景品とした。
 紅は、皿、猪口(ちょく)、茶碗(ちゃわん)などの容器に移して売られたが、のちには容器入りのものも売られた。そればかりではなく、懐中用としては、紅花と称して、これを二つ折りにした、2×3センチメートルくらいの長方形のものまでがつくられ、これを鼻紙袋に入れて持ち歩いた。なかには金銀銅でこれをつくり、定紋をつけたり、役者紋を入れたものもあった。江戸末期になると、化粧法に笹色(ささいろ)紅ということが行われた。これは、下唇を上唇より濃く塗る方法で、下唇が玉虫色に光るのが特色で、紅を何回も塗り重ねるが、これを手軽にしたのが、墨を塗ったうえに紅を塗る方法である。[遠藤 武]
 紅は明治に入って外来物の輸入とその利用によって大きく変化し、ことに女性の間で化粧料としての口紅は棒状、軟膏、液状の3種類が出現した。とくに棒状のものは油脂やろうを適宜に選んで、これを溶かして混ぜ合わせ、それに赤色の染料や顔料を溶かして混ぜ、型に流して製造したもので、明治末期から盛んに利用された。また近来は各種の合成樹脂をアルコールで溶かして着色したものが売り出されている。[植村 秀]

原料と製法

口紅は油性の基材と着色料からなる。基材は、オイル、油脂、ワックスを組み合わせてつくられる。着色料は顔料と染料(水溶性と油溶性)の2種に大別される。基材原料のうちカルチウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、セレシン、固形パラフィンなどのワックス類は、融点を高め固形を保つ目的で配合される。オイルには、流動パラフィン、スクワラン、エステル類、ひまし油、オレイルアルコールのような液状高級アルコールなどがある。これらは口紅ののびをよくし、軽く描けるように配合される。このほか、顔料の分散剤としての界面活性剤、製品の保存性を高める酸化防止剤および香料などが配合される。口紅は顔料および染料を、単独あるいは混合してさまざまな色調を出している。しかし最近では染料の配合量は少なくなる傾向にある。口紅の製法は基材を加熱溶解し均一に混合し、これに着色料を加えて十分混和したのち、再溶解して香料を添加し、割り型に充填(じゅうてん)成型し容器にさして口紅とする。[植村 秀]

品質と用法

口紅に要求される性質としては、以下のようなことがあげられる。
(1)外観が魅力的で、かつ所定の色調であること。
(2)むらなく容易に着色できる。
(3)唇のアウトラインがくっきりと描け、にじみ出るおそれがない。
(4)製品の外観と同じ色調が長く保て、時間が経過しても変色しない。
(5)苦味や不快な味覚を残さない。
(6)唇に刺激がない。
(7)硬さ、つき、のびなどが一定しており、温度差によって左右されすぎない。
 口紅に含まれているワックスは、口紅の軟化点を上昇させ、高温抵抗性を高くする働きをし、ラノリンは口紅を塗りやすく、またつやを出す役目をする。カスター・オイルは使用時間を持続させ、エステル類は唇に塗ったときの滑らかさに微妙な感触を与える。高級アルコール類は、皮膚からの発汗作用を阻害させないよう、また自然なタッチを得るために配合されており、これらの成分がうまく配合されることによって、より良質な口紅を生むことになるのである。
 現代はファッションの多様化に伴い、カラーハーモニーも重要視されるので、色の出し方も複雑になっている。唇の内側をオレンジ色に、外側を真紅にというように、紅筆を用いて濃淡の変化を楽しんだり、パレット状の紅皿で数種の色を混ぜて、オリジナルな色を生み出したり、あるいはマニキュアやペディキュアの紅とのタッチをあわせてみるとか、ハンドバッグや靴、服装のなかの紅系統の色との調和を楽しむなど、くふうの仕方しだいでさまざまなイメージ・チェンジを楽しむこともできるようになっている。[横田富佐子]
『リチャード・コーソン著、石山彰監修、ポーラ文化研究所訳『メークアップの歴史』(1982・ポーラ文化研究所) ▽植村秀著『顔を創る』(1972・女性モード社)』

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動植物名よみかた辞典 普及版の解説

口紅 (クチベニ)

動物。コダキガイ科の貝

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