ホミカ(読み)ほみか(その他表記)nux vomica

翻訳|nux vomica

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホミカ」の意味・わかりやすい解説

ホミカ
ほみか
nux vomica

マチン科(APG分類:マチン科)の植物Strychnos nux-vomica L.の種子で、馬銭子(まちんし)、マチンともいう。本植物はインドスリランカミャンマーインドシナ半島スマトラボルネオ、オーストラリア北部などに分布する。主成分はストリキニーネ・アルカロイドで、2~3%を含有する。苦味を有し、ホミカエキス、ホミカチンキとして苦味健胃剤に用いられる。そのほか、ホミカエキス散が日本薬局方に収載されている。現在あまり使用されていない。

[幸保文治 2021年5月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホミカ」の意味・わかりやすい解説

ホミカ
nux vomica

馬銭子ともいう。生薬一つで,南方各地に産するフジウツギ科の高木マチン (馬銭)の成熟した種子。ストリキニンブルシンを主とする 2.5%以上のアルカロイドを含有している。これを乾燥したものはホミカエキス,硝酸ストリキニーネなどの原料となる。毒薬

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世界大百科事典(旧版)内のホミカの言及

【ストリキニーネ】より

…ストリキニンともいう。現在はマチンS.nuxvomicaの種子,馬銭子(まちんし)(ホミカともいう)から抽出し,硝酸塩として精製される。強力な痙攣(けいれん)毒で,イヌに飲ませた場合,0.47mg/kgの用量で痙攣を起こさせ,1.2~3.9mg/kgで痙攣死する。…

【マチン】より

…インドから東南アジア,さらにオーストラリア北部まで広く分布する。 マチンの種子を生薬ではホミカ,馬銭子(まちんし),蕃木鼈(ばんぼくべつ)という。1.5~5%のアルカロイド,ストリキニーネやブルシンbrucineなどを含む。…

※「ホミカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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