ホル(その他表記)Elias Holl

改訂新版 世界大百科事典 「ホル」の意味・わかりやすい解説

ホル
Elias Holl
生没年:1573-1646

ドイツ建築家。アウクスブルクに生まれ,同地で没。北イタリア旅行(1600-01)で知ったパラディオの建築の影響を受けた後,1602年アウクスブルク市の建築家となる。初期作の兵器厰(1602-07)は不完全な形でしか伝わらないが,末期ゴシックの形態と新しいバロック的造形意志との融合をみせ,また代表作アウクスブルク市庁舎(1615-20)は,ゴシック建築の仰向性とパラディオの厳格な形態との総合を果たしている。
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ホル
Karl Holl
生没年:1866-1926

ドイツのプロテスタント神学者ベルリン大学の教会史教授。はじめ古代教会の研究主題としたが,やがてルター宗教改革の研究に向かい,20世紀前半の重大な神学運動〈ルター・ルネサンス〉の指導者となった。その成果は,《教会史論文集I,ルター》(1921)に収められているが,ルターの宗教を〈良心宗教〉と規定し,倫理化し,ルターを近代と直結させて理解した点に特徴がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホル」の意味・わかりやすい解説

ホル
Holl, Karl

[生]1866.5.15. テュービンゲン
[没]1926.5.23. ベルリン
ドイツの神学者。テュービンゲン大学助教授,ベルリン大学教授。初めギリシア正教会などの古代教会史研究に従事していたが,のちルターおよび宗教改革の研究に移る。彼の宗教改革 400年記念講演「ルターは宗教のもとに何を理解していたか」 Was verstand Luther unter Religion? は,20世紀初頭のルター・ルネサンスの運動を促進した。そのルター解釈の特色は,ルターの信仰義認論における罪の許しと聖化とを統一的に理解しようとするところにある。主著『教会史論集』 Gesammelte Aufsätze zur Kirchengeschichte (3巻,1921~28) 。

ホル
Holl, Elias

[生]1573.2.28. アウクスブルク
[没]1646.1.6. アウクスブルク
ドイツのルネサンス建築家。石細工職人の子に生れ,1600~01年ベネチアに2ヵ月滞在し,02年イタリアとの貿易で栄えた自由都市アウクスブルクの市主任建築家となり,兵器工場 (1602~07) ,聖アンナ学院 (13~15) ,市庁舎 (15~20,第2次世界大戦で損傷しのちに再建) ,聖霊病院 (26~30) を建て,ドイツ・ルネサンス建築を完成させた。イタリア古典主義に,高い破風壁やねぎ花形ドームのついた塔などのドイツ的特色を融合させたアウクスブルク市庁舎はその代表作。三十年戦争に際し,プロテスタントであったため,35年解雇され,晩年は不遇に終った。

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