ホーヒー(英語表記)Haughey, Charles

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホーヒー」の意味・わかりやすい解説

ホーヒー
Haughey, Charles

[生]1925.9.16. カッスルバー
[没]2006.6.13. ダブリン
アイルランドの政治家。首相在任 1979~81,1982,1987~92)。フルネーム Charles James Haughey。アイルランド共和軍 IRA将校の息子として生まれ,ダブリン・ユニバーシティ・カレッジ(ダブリン国立大学)で法律と会計学を学んだ。1957年フィアンナ・フェール党(共和党)党員としてアイルランド議会下院(ドイル)議員となった。1961年法務大臣,のちに農業大臣,財務大臣。1970年,IRAへの武器供与のため政府資金の流用をはかったとして 2度裁判にかけられた。最初の裁判は中断,2度目の裁判では無罪となり,閣僚の座からは追われたものの議員職にとどまり,有権者から強い支持を得た。1977年にフィアンナ・フェール党が政権に復帰したのに伴い,保健・社会保障大臣となった。1979年ジョン(ジャック)・リンチの後継として党首および首相に就任。1981年政権を奪われたが,1982年には 9ヵ月間復帰。1987年の選挙後,少数与党政権の首相となり,1989年進歩民主党と連立政権を発足させた。前期政権ではイギリスとの関係悪化,経済の衰退,フィアンナ・フェール党の内部分裂などに苦しんだが,1982年に政権を失ったあとも党首の座にとどまるなど強いカリスマ性があった。後期政権ではアイルランドの財政危機を訴えて緊縮財政政策の実施に成功した。しかし 1992年,電話盗聴疑惑に問われ首相を辞任し,引退した。

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