ボウシインコ (帽子鸚哥)
オウム目オウム科ボウシインコ属Amazonaの鳥の総称。全長25~40cm,尾の短い中型のインコ。羽色は全体に緑色で,頭部や翼に鮮やかな赤色,青色,黄色の部分がある。熱帯降雨林やマングローブ林の樹上に10~30羽くらいの群れをつくってすみ,果実を主食としているが,草の種子も食べる。林の近くに植えられた穀物を荒らすこともある。巣はほとんど樹洞で,1腹の卵数は種によって異なり2~4個。ボウシインコ類の物まねの能力は,物まねじょうずなヨウムの能力に匹敵するくらいあり,ヨーロッパでは人気の高い飼鳥になっている。人のことばをまねると,語音が非常に鮮明であり,会話をおぼえたり,歌をうたうこともできる。この仲間のキソデボウシには,人のことばを150語もおぼえていたという記録がある。中央・南アメリカと西インド諸島に25種が分布し,熱帯南アメリカに生息する種が多い。代表種には,額が青く,眼の周囲とのどが黄色で翼角が赤いアオボウシA.aestiva,頭頂,のど,眼下,翼角が黄金色をしたキボウシインコA.barbadensisなどがいる。
→インコ
執筆者:齋藤 隆史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ボウシインコ
ぼうしいんこ / 帽子鸚
amazon
鳥綱オウム目オウム科ボウシインコ属に含まれる鳥の総称。この属Amazonaの仲間は、中央・南アメリカ産の大形で短い角尾のインコ類で、アオボウシインコ、キビタイボウシ、キソデボウシなど約27種とその亜種がある。全長26~48センチメートル。緑色が基本的な羽色で、頭や翼などに黄色、翼に赤色のある種などがある。つがいや数羽、ときに100羽以上の群れをつくり、鳴き合いながら飛ぶ。林にすみ、昼は分散して果実、木の実、芽、花などを食べて高木に群れ止まり、夕方は鳴きながら続々と高木のねぐらに集合し、朝もやかましく鳴いて飛び立つ。樹洞営巣で2~4個の白色卵を産み、雌のみが抱卵する。
この類は飼われるとじょうぶで、人語のまねはアフリカ産のヨウムと並びもっとも優れるため、多く捕獲されて輸出され、とくに西インド諸島産の種は減少して絶滅の危機にある。
[黒田長久]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のボウシインコの言及
【オウム(鸚鵡)】より
…オウム・インコ類は,羽色が美しく,動作がおもしろいのみならず,ものまねもでき,人になれやすいなどの特徴をもっているために,ギリシア・ローマ時代以前から飼鳥として親しまれてきた。人間のことばをまねる能力はどの種も多少もっているが,なかでもアフリカ産の[ヨウム](イラスト)と南アメリカ産の[ボウシインコ]類(イラスト)は,単語だけではなくて,会話や口笛,他の動物の鳴声から機械の音にいたるまで,たいへんじょうずにまねることで知られている。 オウム・インコ類は,アフリカ,アジア,オーストラリア,中南米に約320種が分布し,7亜科に分けられている。…
※「ボウシインコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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