チェコとドイツとの国境一帯に、北西から南東にかけて連なる山地。ドイツ語名ベーマーワルトBöhmerwald。チェコのボヘミア山脈Bohemian Massifとよばれる台地の南西縁にあたる。全長約240キロメートル、最高点はグローサー・アルバー山Grosser Arberの1457メートル。主として片麻(へんま)岩からなる傾動地塊とみられる。北西はチェコ語でチェスキー・レスČeský Lesとよばれる丘陵地で、ボヘミアの森の名で知られるのはおもにこの部分である。南東部に比べて起伏が穏やかで、農牧業が営まれる。南東部はシュマバŠumava山地とよばれ、北西部よりも高く(平均1067メートル)、最高点もこちらにあり、寒冷で農地が少なく森林や湿地が多い。南東部山麓(さんろく)に直交する地溝があり、直交点の峠(標高452メートル)をチェコのプルゼニからドイツのニュルンベルクに至る鉄道が通る。ボヘミアの森にはガラス工業と製粉業が立地する。
[三井嘉都夫]
…1918年から92年まで続いた中欧の共和国。国名通称はチェコ語,スロバキア語ともČeskoslovensko。1920‐38年,1945‐60年の正式国名は〈チェコスロバキア共和国Českoslovká republika〉。1948年以後は社会主義体制をとり,60年からの正式国名は〈チェコスロバキア社会主義共和国Československá Socialistická republika〉。1969年よりチェコ社会主義共和国とスロバキア社会主義共和国の連邦制に移行したが,89年の〈東欧革命〉の進行過程で両共和国で連邦制の見直しが図られ,正式国名を〈チェコおよびスロバキア連邦共和国Česká a Slovenská Federativní Republika〉に変更した。…
…中山山地とは,高度の点において最高1500m前後(たとえば最高はシュワルツワルトでは1493m,ボヘミア(ベーメン)の森では1456m,エルツ山地では1244m,ハルツ山地では1142m,ただしチェコスロバキア・ポーランド国境のリーゼン山地では1608m)であること,あるいは景観においても高山とは趣を異にするということの両方を意味している。地形,地質の点から,ドイツ中山山地は,(1)結晶岩類または古生層より成る地塊(ハルツ山地,ライン片岩山地,オーデンワルト,ボヘミアの森,シュワルツワルト,チューリンゲンの森,エルツ山地など)と,(2)これらの間の主として中生代・三畳紀,ジュラ紀の地層から成るケスタ台地状地域,の二つに大別され,上記の細分の根拠となっている。中山山地は古生代末のバリスカン造山帯の中核地域に相当するが,当時の大山脈はすべて削剝されて地形としてはまったく残っておらず,現在の起伏は,アルプス造山運動に伴う構造運動(サクソニア変動)によって,いったん平坦化されていたものが地塊山地として分断されて生じた。…
…チェコ共和国北西部,標高1000~1500mの山地に囲まれた盆地。約200km四方に広がる起伏の多い高地で,ラベ(エルベ)川,その支流のブルタバ川,ベロウンカBerounka川などの流域地帯。東部はチェスコ・モラフスカ(ボヘミア・モラビア)高地でチェコ共和国のモラビア地方と分断され,残りの三方はチェスキー・レスČeský lesとシュマバŠumava山脈(〈ボヘミア森Böhmerwald〉と総称される),クルシュネー・ホリKrušné hory(エルツ)山脈,クルコノシェKrkonoše(リーゼン)山脈によって囲まれ,オーストリア,ドイツ,ポーランドとの国境を形成している。…
※「ボヘミアの森」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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