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鉄尖晶石 てつせんしょうせき hercynite

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鉄尖晶石
てつせんしょうせき
hercynite

ヘルシナイトともいう。 FeAl2O4 。スピネル (尖晶石) 族鉱物。黒色ないし暗緑黒色。条痕は灰緑色。硬度8,比重 4.4。スピネルクロム鉄鉱,マグネシオクロム鉄鉱 MgCr2O4 との間に固溶体を形成する。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鉄尖晶石
てつせんしょうせき
hercynite

尖晶石系鉱物の一員。俗に鉄スピネルともいわれる。苦土スピネルspinel(化学式MgAl2O4)のFe2+置換体。苦土スピネルおよび亜鉛尖晶石との間に広範囲に固溶系を形成する。自形は正八面体を基調とした立体であるが、苦土スピネルや亜鉛尖晶石と比べると出現ははるかにまれ。
 鉄に富む泥質堆積(たいせき)岩の変成産物として生成され、接触変成岩にも広域変成岩にも産する。ある種の塩基性深成岩や超塩基性岩中にも、顕微鏡で確認できる大きさのものを産する。気成鉱脈型鉱床に伴われる英雲岩greisenの構成成分をなすことがある。日本では、広域変成岩中のものは福島県石川郡古殿町(ふるどのまち)横川から、斑糲岩(はんれいがん)中のものは岩手県宮古市女遊戸(おなつべ)付近の小岩体中から、気成鉱床のものは岐阜県恵那(えな)市河合鉱山(閉山)のタングステン鉱床の母岩中から確認されている。最後のものは亜鉛尖晶石との中間物である。
 共存鉱物は斜長石、黒雲母(くろうんも)、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、コランダム、珪線石(けいせんせき)、紅柱石、角閃石(かくせんせき)など。酸化亜鉛(ZnO)に富むものは石英と共存するが、変成岩や斑糲岩中のものは共存しない。同定は、塊状の集合として産出することが多いので、これを対象に考えると、高い硬度、ほとんど不透明な状態など。条痕(じょうこん)は暗灰緑~暗緑色で緑色味をもつ。英名は原産地と伝えられるチェコ共和国ボヘミアン・フォレストBohemian Forestのラテン名シルバ・ヘルシニアSilva Hercyniaに由来する。[加藤 昭]

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