ドイツの政治・社会理論家、社会思想史家。ウィーンに生まれる。第一次世界大戦後1920年代にはドイツ共産党に入って活躍し、1930年代初めにはM・ホルクハイマーの率いるフランクフルト社会研究所にも所属した。1933年ヒトラー政権の成立により研究所はアメリカに亡命し、彼もイギリスへの亡命を余儀なくされた。近代初頭の機械論的自然観の成立と展開をマニュファクチュア的生産過程との関連において解明しようとした大作『封建的世界像から市民的世界像へ』(1934)は、この研究所の叢書(そうしょ)第4巻としてパリで刊行されている。これ以後しだいに共産党、コミンテルンに対する批判的立場を強め、スペイン戦争のルポルタージュ『スペインの戦場』(1937)、『コミンテルン』(1938)などにその立場は明確に現れている。第二次世界大戦後、一時マールブルク大学で教職にもついたが、主として文筆家としての活動を続けた。
[生松敬三]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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