ボロロ族(読み)ボロロぞく(英語表記)Bororo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボロロ族」の意味・わかりやすい解説

ボロロ族
ボロロぞく
Bororo

ブラジル,マトグロッソ地帯北部に居住するラテンアメリカインディアンの一民族ジェー語系諸族に属する。以前はパラグアイ川の東,西の支流沿岸に居住し,ブラジルの先住民のなかで最大の民族であったが,白人侵略や流行病のため,今日の人口は 1000人未満と推定される。本来は半遊動民で,狩猟採集を主生業としたが,徐々に定住農耕を行うようになった。社会構造は年齢や性別による集団,親族集団に基づいている。地域内婚の傾向が強いが,社会階層は貴族,戦士,平民の3つに分れ,この階級内で婚姻していた。母系半族から成る村を形成し,交差いとこ婚による限定交換が行われる。一夫多妻もときに行われ,拡大家族が最小の社会的単位である。複雑な顔面塗飾の図柄で著名であり,C.レビ=ストロースによって象徴的図柄と社会構造との構造上の対応が明らかにされた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android