改訂新版 世界大百科事典 「マウソレウム」の意味・わかりやすい解説
マウソレウム
Mausoleum[ラテン]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…この神殿の破風を飾っていた彫刻の断片が発見されており(アテネ考古学美術館),それらもスコパスの作であろうと考えられている。スコパスは,彫刻家ブリュアクシス,レオカレス,ティモテオスとともに,ペルシア領カリア地方総督マウソロスの壮大な墓廟マウソレウムの装飾に参加し,その東面の浮彫フリーズを制作したと伝えられる。当地からは,ギリシア人とアマゾン族の戦闘を描いた長大なフリーズの断片が出土しており(大英博物館その他),そのうちのテゲアの彫刻と似た作風を示す部分が,スコパスの手に成るものと推定されている。…
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[王墓と帝王陵]
帝王陵の名に値する墓として,あるいは大規模な葬送儀礼が行われたことを示す墓として,かつて問題にされた墓を列挙してみよう。応神,仁徳に代表される古代天皇陵,殷の大墓,秦漢帝国以降の帝陵,朝鮮三国時代から新羅統一時代にいたる陵墓,西アジアのウルの王墓とウル第3王朝の陵,ペルシア帝国の王陵,ハリカルナッソスのマウソレウム,エジプトのマスタバやピラミッドなどが著名である。これらの墓は2種類に大別することができる。…
…【宮田 登】
[古代西洋の七不思議]
ギリシア語ではHepta Theamataといい,前3世紀ころ以来,ヘレニズム世界中から選び出された七つの巨大で美しい建造物を指す。普通には,エジプトのピラミッド,バビロンの城壁,同じくバビロンの空中庭園,フェイディアス作のオリュンピアのゼウス像,ハリカルナッソスのマウソレイオン(マウソレウム),エフェソスのアルテミス神殿,ロドス島の太陽神の青銅巨像が挙げられる。これらのうち若干は,アレクサンドリアのファロス島の灯台,エピダウロスのアスクレピオス像などと入れ替えられることがある。…
…しかし,都市によっては壮麗な墓も見られ,クサントスXanthosのネクロポリスの墳墓群は著名である。また,小アジア,ハリカルナッソスの太守マウソロスの墓(前350ころ)は古代の七不思議の一つとして知られ,イオニア式列柱廊をもつ26m角の角塔状の壮麗な墳墓で,以後その名〈マウソレウム〉は,壮大な墓廟一般を指すようになった。これらイオニア地方の塔状墳墓の形式は,のちのイスラム時代にまで影響を残した。…
※「マウソレウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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