マカリオス3世(読み)マカリオスさんせい(英語表記)Makarios III

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マカリオス3世」の意味・わかりやすい解説

マカリオス3世
マカリオスさんせい
Makarios III

[生]1913.8.13. パナイヤ
[没]1977.8.3. ニコシア
キプロスのギリシア正教の大主教,政治家。アテネ大学神学部を卒業後,アメリカのボストン大学に留学。 1948年キプロスに帰り,48年主教,50年大主教となった。エノシス (ギリシアとの統合) 運動の非暴力闘争を指導,このため 56年イギリス政府によってインド洋のセーシェル島に追放されたが,57年釈放されギリシアに帰った。 59年ロンドンで,イギリス,トルコ,ギリシア,キプロス島の各代表による会談でキプロス独立協定に調印,60年独立とともに初代大統領に選出された。 68年再選,73年3選されたが外交ではアメリカ,ソ連両大国の圧力を巧みにかわして非同盟主義をとった。しかし国内ではギリシア系住民とトルコ系住民の対立にはさまれて苦慮した。 74年7月軍のクーデターとその直後のトルコ軍の進攻 (キプロス紛争) の際,一時イギリスに亡命,12月に帰国して大統領の地位に復帰したが,最後まで内外の問題に苦しめられた。

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