マクミラン出版社(読み)マクミランしゅっぱんしゃ(その他表記)Macmillan Publishers Ltd.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マクミラン出版社」の意味・わかりやすい解説

マクミラン出版社
マクミランしゅっぱんしゃ
Macmillan Publishers Ltd.

イギリスの大手出版社。教科書,科学書,文学書,定期刊行物などが中心。1843年,スコットランド出身のダニエルマクミランアレグザンダー・マクミランの兄弟が創業した書店マクミラン Macmillan & Co.から始まった。1824年,11歳で書店へ奉公に出た兄のダニエルは 30歳の頃ケンブリッジの書店を買い取り,弟のアレグザンダーもその経営に加わった。1844年3月に初の出版目録を発表,同時期に教科書の出版を手がけ始めた。1855年に初の長編小説としてチャールズ・キングズリーの『西行きの船だよ』Westward Ho!を刊行。1857年出版のトーマス・ヒューズの小説『トム・ブラウンの学校時代』Tom Brown's School Daysが初のベストセラーとなった。1857年にダニエルが死去してからはアレグザンダーが 32年間にわたって積極的な経営を展開,年間 150冊以上を出版するようになった。この時代に文芸雑誌『マクミランズ・マガジン』Macmillan's Magazine(1859~1907),科学専門誌『ネイチャー』Nature(1869~)が創刊されたほか,ラドヤード・キップリング,ルイス・キャロル,ウィリアム・バトラー・イェーツなどビクトリア朝を代表する作家の作品も出版された。1964年,ダニエルの孫にあたる元イギリス首相ハロルド・マクミラン会長就任。1999年,ドイツのメディア業界大手ホルツブリンクが全株式を取得し,マクミラン家による経営は正式に終わった。世界 40ヵ国以上に支社をもった。本部ロンドン

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