マルカム県(読み)マルカム(その他表記)rmar khams; Barkam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルカム県」の意味・わかりやすい解説

マルカム(馬爾康)〔県〕
マルカム
rmar khams; Barkam

旧名はスートー (四土) 。中国西南地方,スーチョワン (四川) 省北部,アパ (阿 壩) チベット (蔵) 族自治州中部の県。州の行政中心地がある。チベット (西蔵) 高原の東端部にあたり,標高 2500m前後の谷底平野と,4000mをこえる山地とが,ゆるい起伏で連なっている。城関鎮 (行政庁所在地) はタートー (大渡) 河の支流スオモー (梭磨) 河の谷にあり,スーチョワン盆地とチンハイ (青海) 省,カンスー (甘粛) 省を結ぶ道路交通の要衝である。谷底は,ハダカムギ,春コムギ,エンドウを主とする農業地域。人民共和国成立前はケシの栽培が多かったという。山腹ではヤクとウシの移牧が行われる。山林には漢方薬材が多い。住民はほとんどがチベット族。人口5万 7341 (1990) 。

マルカム(芒康)〔県〕
マルカム
rmar khams; Markam

中国西南地方,チベット (西蔵) 自治区東端の県。チャムド (昌都) 地区に属する。ホントワン (横断) 山脈に縦谷を刻むランツァン (瀾滄) 江 (メコン川の上流) の谷にある。行政中心地はガトゥで,ラサ (拉薩) 市からユンナン (雲南) 省およびスーチョワン (四川) 省へいたる道路の分岐点にある。トウヒモミなどの繁茂する森林地帯で,谷底ではハダカムギのほかコムギの栽培もみられる。南端のツァカロ (漢語では塩井) では地下の塩水から製塩が行われている。人口6万 6060 (1990) 。

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