改訂新版 世界大百科事典 「ラテラノ公会議」の意味・わかりやすい解説
ラテラノ公会議 (ラテラノこうかいぎ)
ローマのラテラノ宮殿に召集された五つの公会議。(1)第1回(1123) カリストゥス2世Callistus Ⅱによって召集された西方最初の世界教会会議で,その前年同教皇と皇帝ハインリヒ5世との間で締結されたウォルムス協約の承認を求めたもの。(2)第2回(1139) 教会改革のためインノケンティウス2世Innocentius Ⅱによって召集され,アナクレトゥス2世Anacletus Ⅱの離教やブレシアのアルノルドゥスArnoldusの教義に対し非難決議を行った。(3)第3回(1179) アレクサンデル3世Alexander Ⅲによって皇帝フリードリヒ1世(バルバロッサ)との〈ベネチアの和議〉を確認するため開催。(4)第4回(1215) インノケンティウス3世Innocentius Ⅲによって召集され,異端鎮圧や第4回十字軍をはじめ,神学,典礼,教会法など多くの議題が論議された。(5)第5回(1512-17) ユリウス2世Julius Ⅱが反教皇的なピサ公会議(1511)に対抗するために開催したが,緊急に必要とされる改革はほとんど手をつけられずに終わった。
執筆者:今野 國雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報