ミグ(読み)みぐ(その他表記)МиГ/MiG

デジタル大辞泉 「ミグ」の意味・読み・例文・類語

ミグ(MiG)

《開発した技師ミコヤン(A.I.Mikoyan)とグレビッチ(M.I.Gurevich)の頭文字から》ソ連の代表的な戦闘機総称

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精選版 日本国語大辞典 「ミグ」の意味・読み・例文・類語

ミグ

  1. 〘 名詞 〙 ( MiG ) ソ連、ロシア空軍の戦闘機の称。その設計にあたった技師ミコヤンとグレビチの頭文字をとって命名された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミグ」の意味・わかりやすい解説

ミグ
みぐ
МиГ/MiG

ソ連のミコヤン・グレビッチ設計局(通称ミグ設計局)がつくった航空機につけられた制式記号。この設計局は航空技師アルチョム・I・ミコヤン(1905―1970)とミハイル・I・グレビッチ(1892―1976)をリーダーとして1939年に設立され、一貫して戦闘機の開発にあたってきたため、ミグはソ連戦闘機の代名詞のようになっている。ソ連邦崩壊後は何度か機構や名称の変遷をへて、現在は「ロシア航空機社MiG」となっている。なお、ミコヤンは一時期ソ連の副首相を務めたアナスタス・ミコヤンの実弟

 この設計局の第一作は高速を追求したミグ1戦闘機で、第二次世界大戦中にはその改良型であるミグ3を約3300機生産しただけであったが、戦後いち早く開発したジェット戦闘機ミグ9でいちおうの成功を収め、それに続くミグ15によって不動の地位を獲得した。ミグ15は朝鮮戦争に参加してアメリカ戦闘機と空戦を展開、その高性能が西側に大きなショックを与えたことで有名。生産数は約1万7000機にも達し、社会主義国の標準戦闘機となった。その発達型であるミグ17、ソ連最初の超音速戦闘機ミグ19に続いて、1956年に完成したマッハ2級のミグ21は、やはり大量生産が行われて多くの国で使われ、ベトナム戦争中東戦争にも参加した。その後、可変翼をもつミグ23、最大速度マッハ2.8という世界最速の実用戦闘機ミグ25、ミグ23をもとにした攻撃機ミグ27、空戦性能の優れたミグ29、ミグ25の発達型であるミグ31を送り出した。1991年にソ連が崩壊してロシア連邦共和国が成立した後、次世代戦闘機として開発した1.44は試作機だけにとどめられたが、ミグ29の発達型ミグ35などを送り出している。

[藤田勝啓]

『ビル・スウィートマン著、浜田一穂訳『ミグ戦闘機――ソ連戦闘機の最新テクノロジー』(1988・原書房)』『野原茂著『図解世界の軍用機史 1945~91(ジェット機編)』(1991・グリーンアロー出版社)』『Bill Gunston, Yefim GordonMiG aircraft since 1937(1998, Naval Institute Press, Annapolis)』『Yefim Gordon, Keith Dexter, Dmitriy KomissarovMikoyan Mig-21(2008, Specialty PR Pub & Wholesalers)』


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