ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミコヤン」の意味・わかりやすい解説
ミコヤン
Mikoyan, Anastas Ivanovich
[没]1978.10.21. モスクワ
ソ連の政治家。チフリスの神学校卒業。 1915年ボルシェビキに加入し,カフカスにおける革命運動の指導者の1人となった。 19年9月モスクワで党中央委員会の指令を受け,アゼルバイジャン共産党の組織化に成功。 26年ソ連政府の商業・貿易人民委員に就任,55年まで同種の職務を担当,外交交渉においてその機略縦横の手腕をうたわれるようになった。その間中央政治においても昇進を重ね,第2次世界大戦中の 42~45年には国家防衛委員会の委員として活躍,その功により 43年に社会主義労働英雄の称号を受けた。 46~53年ソ連閣僚会議議長代理 (副首相) 。 56年第 20回党大会で I.スターリン批判の演説を行い,58年 N.フルシチョフ内閣の第一副首相に就任。その後の権力抗争中一貫してフルシチョフにくみした唯一の長老政治家となった。 64年7月~65年 12月最高会議幹部会議長 (国家元首) 。 64年 10月フルシチョフ失脚後もブレジネフ=コスイギン政権の補佐役として活躍。 65~74年最高会議幹部会員。その後引退。その端倪すべからざる政治力によって,オールド・ボルシェビキとして常に政権の上層部のなかを生延びた,ソ連史上稀有の政治家。
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