ミシェル・オバマ(読み)みしぇる・おばま(英語表記)Michelle Obama

知恵蔵 「ミシェル・オバマ」の解説

ミシェル・オバマ

アメリカ合衆国第44代大統領バラク・オバマ夫人。1964年1月17日、シカゴの黒人街サウスサイド生まれ。旧姓は、ロビンソン。進学したプリンストン大学では、卒業論文のテーマに人種と黒人コミュニティーの問題を選んだ。その後、ハーバード大学ロースクールに進学。在学中の88年、夏期学生アソシエート(勤務弁護士)としてシドリー&オースティン法律事務所に採用される。ここでは、主に知的財産法やマーケティング関連の案件に携わった。翌年、同じく夏期学生アソシエートとして同事務所に雇用されたバラク・オバマと出会う。
91~96年には、シカゴの市政府に招かれ、市長補佐、経済開発コーディネーターなどを歴任。一方、働く若者を支援する貧困地区の非営利組織「パブリック・アライズ」の事務局長を務め、また国際政治・法曹界の有力者が集う「シカゴ国際関係評議会」などの理事にも名をつらねた。オバマ氏とは92年に結婚し、2女をもうける。その後、シカゴ大学の学部長補佐、同大学病院副院長を務める。
こうした華々しい略歴と野心を隠さない自由奔放な性格から、ヒラリー・クリントンと比較されることが多い。オバマ大統領も「妻がライバルだったら、わたしは負けていただろう」と語っているほどである。ところがオバマの勝利後は、自らの役割を「母親司令官(Mom-In-Chief)」と発言し、さまざまな憶測を呼んだ。大統領選の最中には「初めて米国を誇りに思えた」と演説して愛国心の欠如を非難され、就任後の2009年4月には、英国エリザベス女王との面会の際、女王の背中に手をまわしたことが物議を醸している。
だが、米国民の多くは、アメリカン・ドリームを体現している良き妻・良き母に好意的なようだ。知性あふれる美ぼうと180センチの長身、新進ブランドのカラフルなドレスを着こなすファッションセンスの評価も高く、選挙戦中の08年9月には、ファッション誌『ピープル』の「今年の女性ベスト・ドレッサー10人」に選出され、09年4月には「今年の最も美しい人100人」にも選ばれている。さらに『ヴォーグ』誌(09年3月号)の表紙も飾るなど、ファッション・アイコンとしての注目も集めており、「ジャクリーン・ケネディーの再来」との呼び声も高い。

(大迫秀樹 フリー編集者 / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

現代外国人名録2016 「ミシェル・オバマ」の解説

ミシェル オバマ
Michelle Obama

職業・肩書
弁護士 オバマ米国大統領夫人

国籍
米国

生年月日
1964年1月17日

出身地
イリノイ州シカゴ

本名
Obama,Michelle La Vaughn Robinson

学歴
プリンストン大学〔1985年〕卒,ハーバード大学ロースクール〔1988年〕修了

経歴
アフリカ系アメリカ人。シカゴの水道局で働く父を見て猛勉強し、公立学校から名門プリンストン大学に入学。1985年卒業後、ハーバード大学ロースクールで学び、’88年シカゴのシドリー・オースティン弁護士事務所に入る。当時インターンだったバラク・オバマの教育を担当。’91年法律事務所を退職、シカゴ市職員に。’92年バラクと結婚。’93年地域奉仕の非営利団体パブリック・アライズのシカゴ支部事務局長。’96年夫がイリノイ州議会議員に当選。同年シカゴ大学に転職。’98年長女マリア、2001年二女サーシャ出産。2002年シカゴ大学病院の地域総務部理事、のち副理事長。2004年夫が連邦上院議員に当選。2007年夫が大統領選に立候補。選挙戦のためシカゴ大学病院を退職。2008年11月夫が大統領選に当選し、2009年1月米国史上初のアフリカ系大統領に就任、ファーストレディとなる。2010年米経済誌「フォーブズ」が選ぶ“世界で最も影響力のある女性ランキング”の第1位に選ばれた。2014年夫が国賓として来日した際は、娘たちの学校の都合を理由に同行しなかった。2015年3月米政府の女子教育促進キャンペーンの一環で初来日を果たす。知性と個性とユーモアで夫をしのぐとも言われ、そのファッションにも定評がある。

出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミシェル・オバマ」の意味・わかりやすい解説

ミシェル・オバマ

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