日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミズウオダマシ」の意味・わかりやすい解説
ミズウオダマシ
みずうおだまし
daggertooth
[学] Anotopterus pharao
硬骨魚綱ハダカイワシ目ミズウオダマシ科に属する海水魚。太平洋と大西洋の深海に広く分布するが、採集される数は少ない。日本近海ではオホーツク海、駿河(するが)湾、小笠原(おがさわら)諸島などで採集されている。背びれがないが、尾びれの前方に小さな脂びれがある。やや前方に向かって生える大きくて鋭い口蓋(こうがい)骨歯をもつが、成熟個体では歯は退縮して脱落しやすい。臀(しり)びれは14~16軟条、胸びれは12~15軟条、腹びれは9~11軟条からなる。体は鱗(うろこ)で覆われていない。体はほぼ円筒状で細長い。日本では、駿河湾の湾奥の海岸に打ち上げられていたものなども含めて十数個体採集されている。体長は1メートルほどになる。肉は半透明で水っぽく、食用にならない。
[上野輝彌]