日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミッテルラント運河」の意味・わかりやすい解説
ミッテルラント運河
みってるらんとうんが
Mittelland Kanal
ドイツの艀(はしけ)用内陸運河。ドイツ西部、オランダ国境に近いベフェルゲルン付近でドルトムント・エムス運河より分岐し、ミンデン付近でウェーザー川と立体交差、ハノーバー、ブラウンシュワイクを経て、マクデブルク北方でエルベ川に結ばれる。長さ325.7キロメートル。ハノーバーにある閘門(こうもん)は長さ225メートル、幅12メートル、深さ2メートルの容量をもつ。ドルトムント・エムス運河を通じてライン・ルール工業地域と結ばれ、エルベ川以東はエルベ・ハーフェル運河とハーフェル川によってベルリンに達し、さらにシュプレー川とオーデル・シュプレー運河を経てアイゼンヒュッテンシュタット付近でオーデル川とつながっている。第一次世界大戦中の1915年2月、ドルトムント・エムス運河とウェーザー川とを結ぶ区間が最初に開通し、翌年ハノーバーに延長された。第一次世界大戦後工事が再開されて、1933年ブラウンシュワイク、1938年にマクデブルクに達して全通した。北海またはバルト海に向かって北流する艀交通量の多い河川の中流部を東西方向に結んでいるため、ドイツの艀交通において重要な機能を果たしている。
[青木栄一・青木 亮]