ミニステリアーレス(その他表記)Ministeriales

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミニステリアーレス」の意味・わかりやすい解説

ミニステリアーレス
Ministeriales

ドイツ中世の国王諸侯が用いた非自由身分の役人家人などと訳される。その起源はメロビング朝頃までさかのぼるが,ザリエル朝のハインリヒ3世,さらに同4世の時代になると,ミニステリアーレスの政治的活動が顕著になった。そしてホーエンシュタウフェン朝にいたり,聖職叙任権闘争後は,聖職諸侯に代って,非自由民を王領や家領経営などに盛んに用いるようになった。当時,非自由民は,国王の顧問外交使節軍役などにも任じられ,もっぱら国王や諸侯の機関として働き,次第に手当や土地を支給されるようになった。さらに彼らの役職とそれに対する土地給与が世襲されるにいたり,彼らは騎士身分と類似の性格を帯びるようになった。なかには,元来の主人以外の主人から封建知行を受ける者も現れ,政治的,経済的に高い地位を有するようになったため,12世紀以後は多数の自由身分の人々も自由を放棄してミニステリアーレスとなった。ミニステリアーレスと主人の関係を規定したものが家人勤務法 Dienstrechtである。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ミニステリアーレス」の解説

ミニステリアーレス
ministeriales

ドイツの国王や聖俗諸侯に従属する非自由人集団の出身で,11世紀より宮廷勤務や所領管理,とりわけ騎士的軍役を通じて社会的に上昇した。一部都市で市民化するが,上層部は自由人貴族をも加えて,ドイツの騎士身分を形成した。

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