ムフロン(英語表記)mouflon
Ovis musimon

デジタル大辞泉 「ムフロン」の意味・読み・例文・類語

ムフロン(mouflon)

ウシ科ヒツジ属の哺乳類。体は小形で、雄は大きな螺旋らせん形の角をもつ。コルシカ島やサルデーニャ島などの山岳地帯に生息家畜のヒツジの原種とされる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ムフロン」の意味・わかりやすい解説

ムフロン
mouflon
Ovis musimon

家畜ヒツジの有力な祖先とみられている野生ヒツジの1種。偶蹄目ウシ科の哺乳類。地中海のコルシカ,サルデーニャ,キプロスと小アジア,イラン西部に分布するが,小アジアとイランのものを別種アジアムフロンO.orientalisとする学者もある。体長110~130cm,尾長3.5~6cm,肩高65~75cm,体重25~50kg。体は小型だががっしりし,雄には長さ85cmに達する渦巻状の角があるが,雌にはないか,あっても小さい。体は黒ずんだ赤褐色で,背に灰白色の鞍状斑があり,腹面と四肢は白色。雄では首の下面にふつう黒色の長毛がある。山地に小さな群れでくらし,ふだんは雄,雌と子は別々の群れを形成する。早朝と夕刻から夜にかけて草地へ出て種々の草を食べ,日中は見通しのきくところで休息する。交尾期は秋で,雄はなわばりを設けてハレムをつくるため角を突き合わせて闘う。妊娠期間は約150日,4月ころ1産2~3子を産む。約15年ほど生きるが,飼育下では19年の記録がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムフロン」の意味・わかりやすい解説

ムフロン
Ovis musimon; mouflon

偶蹄目ウシ科。体長 1.1~1.3m,肩高 70cm内外の野生のヒツジ。雌雄とも大きな渦巻状の角をもち,成長した雄のものでは 1m近くになるものもある。体毛は赤茶色で,雄の背中の中央から体側にかけて白色斑がある。地中海のコルシカ島,サルジニア島原産で,山岳地帯に小群をつくってすむ。草や木の葉を食べる。家畜化されたヒツジの原種と考えられている。なお,ヨーロッパ各地では,移入されたものが野生化している。

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世界大百科事典(旧版)内のムフロンの言及

【ヒツジ(羊)】より

…【一条 薫】。。…

【ヒツジ(羊)】より

… ヒツジ属の野生種には,角の基部に近い部分の上面(三角形の底辺を含む面)と内面の境,すなわち内縁が鋭く顕著で,上面と外面の境,すなわち外縁が丸く不明りょうなユーラシア系の種と,反対に外縁が鋭く顕著で,内縁が丸く不明りょうなアメリカ系の種とがある。ユーラシア系の種には,家畜のヒツジの原種と見られるムフロンO.musimon(サルデーニャとコルシカ)とアジアムフロンO.orientalis(小アジア,イランなど。ただしこれらを同一種とみなす学者もあり,その場合はムフロンの学名はO.orientalisとなる)のほか,ウリアルO.vignei(イラン,カシミール)およびアルガリO.ammon(アルタイ,ヒマラヤ)があり,アメリカ系の種にはビッグホーンO.canadensisがある。…

※「ムフロン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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