ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メアリー2世」の意味・わかりやすい解説
メアリー2世
メアリーにせい
Mary II
[没]1694.12.28. ロンドン
イギリス,スチュアート朝のイングランド女王 (在位 1689~94) 。ジェームズ2世とハイド家のアン (クラレンドン〈伯〉の娘) の長女。新教徒として育てられ,1677年従兄にあたるオランダ総督オランニェ公ウィレム (のちのウィリアム3世 ) と結婚,オランダに渡った。 87年以降のイギリスの政情危機に際しては主導権を夫にゆだね,父ジェームズ2世が逃亡して名誉革命が達成されたのち,89年2月にイギリスに帰国した。自分を単独で女王に推戴しようとする動きを制して,夫とともに共同統治者として4月 11日王位についた。即位後もウィリアム3世の不在中に限って政務をとり,側近をつくるのを好まないなど,謙遜で公平な人柄が国民に愛された。彼女はまたオランダ文化の移入にも貢献した。天然痘にかかり 32歳の若さで死去。
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