メキシコ,中米の独立

山川 世界史小辞典 改訂新版 「メキシコ,中米の独立」の解説

メキシコ,中米の独立(メキシコ,ちゅうべいのどくりつ)

ナポレオン軍のスペイン侵入(1808年)によって生じた政治的空白から,メキシコのスペイン人と現地人(クリオーリョ)の間に対立が生まれ,やがて1810年9月に,神父ミゲル・イダルゴがドロレスで蜂起して,反スペイン闘争を呼びかけた。これがホセ・マリア・モレーロスに引き継がれていく間に,独立と共和国設立が宣言された。また運動は農民,メスティーソを多数吸収していったので,保守的な支配層の反発を買い,15年までに制圧された。その間,スペイン本国では,ナポレオンの没落後フェルナンド7世が復位し,軍隊民衆の圧力によって,自由主義的な憲法を承認したので,これが植民地に波及することを恐れるクリオーリョの保守派が推すアグスティン・デ・イトゥルビデが,21年スペイン側とコルドバ条約を結んで独立を達成した。彼は翌22年アグスティン1世として立ち,「メキシコ帝国」が独立した。しかし翌年,彼の失脚とともに共和制に移行し,傘下にあった中米諸地域も「中央アメリカ連合」として23年に分離した。さらに38年以後,「連合」は五つの共和国(グアテマラホンジュラスエルサルバドルニカラグアコスタリカ)に分裂した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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