ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェルナンド7世」の意味・わかりやすい解説
フェルナンド7世
フェルナンドななせい
Fernando VII
[没]1833.9.29. マドリード
スペイン王 (在位 1808,14~33) 。カルロス4世とパルマ公女マリア・ルイザの子。父の即位後アストゥリアス公。 19世紀の初め,父の寵臣宰相 M.ゴドイの政策に反対して,フェルナンド派を結成,親ナポレオン政策をとった。 1808年3月のアランフェスの反乱により,カルロスは退位,ゴドイは免職となり,フェルナンドが即位した。しかし5月バイヨンヌ会議でナポレオン1世に退位させられ,フランスのバランセーに幽閉された (08~13) 。 14年3月スペインに戻り王座につき民主的憲法を廃止し,自由主義者を圧迫して反動政治を行なった。一方,キューバ,プエルトリコ以外のラテンアメリカ植民地を失い国力は衰退した。『サリカ法典』を無視して,王妃マリア・クリスティナとの娘イサベル (2世) を王位継承者にしてカルリスタ戦争の原因をつくった。
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