ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イトゥルビデ」の意味・わかりやすい解説
イトゥルビデ
Iturbide, Agustín de
[没]1824.7.19. タマウリパス,パディリャ
メキシコの軍人。皇帝 (在位 1822~23) 。父はスペイン人,母はメキシコ人の富裕な家に育ち,1810年メキシコ独立革命が始ると,副王軍の軍人として活躍。 13年には J.モレロス・イ・パボンの率いる独立軍に大打撃を与えるなど功績をあげた。 20年本国スペインで革命が起り,自由主義的な『1812年憲法』が復活すると,メキシコでは保守派,教会の不安が高まった。独立軍鎮圧にあたっていたイトゥルビデはこの機会をとらえ,21年2月 24日,「帝制,ローマ・カトリックの国教化,スペイン人とメキシコ人の平等」を骨子とするメキシコ独立計画 (→イグアラ綱領 ) を発表,革命軍と和平して軍をメキシコシティーへ向けた。同年8月副王も独立を認め (→コルドバ条約 ) ,9月イトゥルビデはメキシコシティーへ入城。翌 22年スペイン王フェルナンド7世がメキシコ皇帝就任要請を拒否すると,みずから皇帝となり,アグスティン1世と称した。しかし,共和制支持者はこれに反対,中央アメリカ遠征の失敗などもあって各地に反乱が起り,結局 23年3月,在位わずか 10ヵ月で退位,ヨーロッパへ亡命した。翌年再入国を企てたが,逮捕され銃殺された。
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