分益小作農または折半小作農と訳し、この小作制度をメティヤージュMétayageという。封建的な土地制度から近代的な土地制度への移行の過渡期に現れ、16~19世紀前半のフランス西、中、南部に広範にみられた。借地農と地主は、経営資本(農具、耕作家畜、種子)を一定の割合で提供しあい、地代は収獲物の半分ないし3分の1で、契約期間は定期的(3~9年)に更新された。分益小作農は、時代、経営規模、契約内容によって経済状態が異なり、かならずしも貧困な農民だけを意味しないが、小規模経営(1~10ヘクタール)が多く、小土地所有農がこれを兼ねることも少なくない。フランス革命前には、小作の大半を占めた分益小作農は、革命後、農業の近代化につれ、19世紀末には5%程度に減り、20世紀にはほぼ消滅して、普通小作農(フェルミエfermierとよばれ、経営資本の全部を負担し、貨幣で定額地代を支払う)に変わっていった。
[中木康夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…生業やなりわいと,近代的な意味での職業とは区別されなければならない。
[職業の外国語]
職業は,英語ではオキュペーションoccupationあるいはプロフェッションprofession,トレードtrade,ボケーションvocation,コーリングcalling,ドイツ語ではベルーフBeruf,フランス語ではメティエmétierがこれにあたる。オキュペーションは,時間と精力とがこれに占有される仕事という意味である。…
※「メティエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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