普及版 字通 の解説
14画
[字訓] おおう・こうむる・おかす・くらい・おろか
[説文解字]
[金文]
[字形] 象形
獣皮の形。〔説文〕に字を艸部一下に属し、(もう)声の字とする。は〔説文〕七下に「(おほ)ふなり」とあり、豕(し)を覆う形であるとするが、の上部に角や耳を加えた形がであるから、・は繁簡の字とみてよく、は頭部をも含む獣皮の全体像である。〔説文〕にを「王女なり」、すなわち女(じよら)とするのは、字の上部を草と誤ったものであろう。〔国語、晋語六〕「甲冑を(かうむ)る」のように、全体を覆うて服する意。縫いぐるみのようにかぶることをいう。毛の乱れるさまを戎(もうじゆう)・(もうじよう)という。昧の意があり、人に移して童という。
[訓義]
1. おおう、こうむる、おおいこうむるもの。
2. おかす、かくす、くらい。
3. まじる、みだれる、あざむく。
4. おろか、おさない。
5. 尨(ぼう)と通じ、おおきい、おおい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 カウフル・オホフ・オホホル・ヲカス・カヅク・クモル・クラシ・ツツム・アザムク・シゲシ・カタチ・モミチ
[声系]
・はもと同字。〔説文〕に声としてなど三字、声として・など五字を収める。みな覆して、ものが明らかでないことをいう。
[語系]
・・・・・mongは同声。(冒)・(帽)mu、霧miuも、覆うてくらい意がある。冥・瞑myeng、(夢)・miungなども声義に通ずるところがあり、一系の語である。
[熟語]
衣▶・翳▶・▶・恩▶・化▶・学▶・▶・気▶・愚▶・垢▶・衫▶・死▶・士▶・師▶・戎▶・衝▶・▶・塵▶・然▶・▶・恥▶・稚▶・鈍▶・伐▶・犯▶・被▶・鄙▶・覆▶・▶・▶・没▶・昧▶・密▶・滅▶・面▶・▶・絡▶・籠▶・陋▶・▶・▶
[下接語]
阿・・愚・訓・群・啓・鴻・昏・塵・旃・・童・・発・・蔑・便・昧・冥・幽・幼・養・
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報