日本大百科全書(ニッポニカ) 「モスクワ音楽院」の意味・わかりやすい解説
モスクワ音楽院
もすくわおんがくいん
Московская государственная Консерватория имени П. И. Чайковского/Moskovskaya gosudarstvennaya Konservatoriya imeni P. I. Chaykovskogo
1866年、ロシア音楽協会の音楽教室を土台に、モスクワに設立された音楽教育機関。初代院長はニコライ・ルビンシテイン。設立時から78年まで同校で作曲を教えたチャイコフスキーの生誕100年を記念して、1940年から「チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院」を正式名称とする。1871年現在地に移り、正面にはチャイコフスキー記念像が建てられている。タネーエフ、アレンスキー、ラフマニノフなど、モスクワ派とよばれる作曲家を輩出し、今日でもサンクト・ペテルブルグ音楽院と並ぶロシアのもっとも重要な音楽院として多数の世界的音楽家を育成し続けている。同音楽院の大ホールはボリショイ劇場とともに市の音楽生活の中心であり、1958年以来チャイコフスキー国際コンクールの本選会場としても使われている。
[美山良夫]