モントリオール・オリンピック競技大会(読み)モントリオール・オリンピックきょうぎたいかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

モントリオール・オリンピック競技大会
モントリオール・オリンピックきょうぎたいかい

カナダモントリオールを開催都市として行なわれた第21回オリンピック競技大会。1976年7月17日から 8月1日まで開催され,92の国と地域から 6000人以上が参加した。1973年からの石油危機による世界的不況と労働者の賃上げストライキなど財政難により開催が危ぶまれたが,施設の大幅な縮小などで開催にこぎつけた。人種差別政策をとっている南アフリカ共和国との交流があるニュージーランドの大会参加に抗議して,アフリカを中心とした 26ヵ国が大会をボイコットした。また中国と国交を結んだカナダは台湾を「中華民国」として受け入れを拒否,台湾はカナダ政府と国際オリンピック委員会 IOCに抗議して帰国した。金メダル獲得数は,ソビエト連邦が最多の 49個,次いでドイツ民主共和国(東ドイツ)が 40個,アメリカ合衆国 34個,ドイツ連邦共和国(西ドイツ)が 10個と続いた。女子体操ではルーマニアのナディア・コマネチが計 7回の 10点満点を記録し,大会の主役となった。女子水泳では東ドイツのコーネリア・エンダーが金 4個,銀 1個のメダルを獲得。男子水泳でもアメリカのジョン・ネーバーが同じく金 4個,銀 1個を獲得する活躍をみせた。日本は 9個の金メダルを獲得した。体操男子団体総合はオリンピック 5連勝を達成し,女子バレーボールは白井貴子を中心に圧倒的強さで金メダルを獲得した。柔道では無差別級上村春樹,中量級の園田勇,軽量級の二宮和弘が金メダルに輝いた。またレスリングではフリースタイル 52kg級の高田裕司,同 74kg級の伊達治一郎が優勝した。

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