ヤシオウム(読み)やしおうむ(その他表記)palm cockatoo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤシオウム」の意味・わかりやすい解説

ヤシオウム
やしおうむ / 椰子鸚鵡
palm cockatoo
[学] Probosciger aterrimus

鳥綱オウム目オウム科の鳥。ニューギニア島、オーストラリア北部、パプア諸島の一部に分布し、5亜種がある。全長60センチメートルともっとも大形に属するオウムで、全身がスレート黒色。嘴(くちばし)は、とくに上嘴が強大で長い。目の下方に頬(ほお)の大裸出部があり、赤色で変色する。細長い羽束状の羽冠にも特色がある。強大な嘴には刻みがあり、堅いヤシの実を砕いて食べる。舌もその食性に適し、さじ状である。行動は鈍く、飛力は弱く、ときに大声を発する。

黒田長久

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のヤシオウムの言及

【オウム(鸚鵡)】より

…オウム亜科は全長30~80cmの中・大型種を含み,立てたり,伏せたりできる長い冠羽をもち,尾の短い典型的なオウム類である。白色のオオバタン(イラスト),キバタン(イラスト),コバタン(イラスト)や黒色のヤシオウムが代表種である。ヤシオウムProbosciger aterrimus(英名palm cockatoo)(イラスト)は全長80cm,長い冠羽をもち,全身が黒色で,ほおの裸出部が赤い。…

※「ヤシオウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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