ヤスデモドキ

改訂新版 世界大百科事典 「ヤスデモドキ」の意味・わかりやすい解説

ヤスデモドキ (擬馬陸)

節足動物少脚綱(エダヒゲムシ綱)Pauropodaに属する微小な多足類総称少脚類ともいう。体長0.5~2mm,歩脚は9対,触角の先が枝分れしている。土の中や落葉の下にすむが,数が少なく微小であるため,その姿を見た人は少ない。食性はよくわかっていない。世界で約650種,日本には29種が知られ,白色軟弱なニワヤスデモドキ本州九州に分布し,褐色で堅くダンゴムシのような形のオビヤスデモドキ四国,九州,琉球諸島などに分布する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤスデモドキ」の意味・わかりやすい解説

ヤスデモドキ
やすでもどき / 擬馬陸

節足動物門少脚(しょうきゃく)類(綱)Pauropodaの陸生動物の総称。森林などの腐植土中に生息している微小な動物で、普通、体長2ミリメートル以下。体表は薄いキチン質の外骨格に覆われ、頭と胴が区別される。胴は11または12節で、ほとんどの種類は9対の歩肢がある。いわゆる多足類のなかで、歩肢が少ないので少脚類といわれる。触角は1対あるが、陸上の触角動物としては特異な形をしており、4~6節の基節の先は二叉(にさ)し、その1枝はさらに二叉して、その分岐部に球状体とよぶ感覚器がある。世界に約360種、日本に5種が知られており、代表的な種類はニワヤスデモドキ(別名ニワムシ)がある。人間生活と直接の利害はまったくない。

[篠原圭三郎]

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