ヤルダン(その他表記)yardang

岩石学辞典 「ヤルダン」の解説

ヤルダン

粘土およびシルト砂塵によって切られた溝やグルーブ[Twenhofel : 1950].トルコ語のyarは崖の意味で,砂漠の中にある側面が急崖となる細長い列状の丘をいう.一定の風向をもつ風の侵蝕によって生じたとされている.はじめはスウェン・ヘディン[Sven Hedin : 1903]が中央アジアのトルキスタン探検の時に発見したもので,後にブラックウェルダー[E. Blackwelder : 1930]がヤルダンと命名した[木村ほか : 1973].

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤルダン」の意味・わかりやすい解説

ヤルダン
yardang

乾燥地域で,傾斜した硬軟互層が風による差別浸食を受けて生じる地形鶏冠のような奇岩が連なる特異な景観を示す。風食によって軟岩層が速く取去られ,硬岩層が突起として残ったもの。中央アジア,アフリカなどの砂漠にみられ,中央アジアではヤルダン,アフリカではスフィンクス丘陵という。トルコ語の yar (崖の意) に由来した術語

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百科事典マイペディア 「ヤルダン」の意味・わかりやすい解説

ヤルダン

おもに内陸盆地底に堆積した粘土層が風食を受けて形成された小丘。中央アジア地方にみられ,中国では竜堆の名で呼ばれる。
→関連項目乾燥地形

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世界大百科事典(旧版)内のヤルダンの言及

【乾燥地形】より

…前者は風で飛ばされた砂が基盤に吹きつけられた時働く削剝作用であり,後者は細粒な未固結物が風に吹き飛ばされることによる剝離作用であるが,いずれも大きな地形は形成しない。ウィンド・アブレージョンにより形成される地形としてはヤルダンyardangsが代表的なものである。ヤルダンは,ほぼ平行する細長い凹地によって隔てられた細長い高まりをいい,S.ヘディンによりトルキスタンで命名された(1903)。…

【浸食作用】より

…乾燥地域では盆地底の湖底層や互層する硬軟岩層が風食を受けて,風の方向に平行する岩稜が細長い凹地を隔てて形成される。これをヤルダンと呼び岩稜に怪異な形の岩塔が伴う。
[海食]
 海岸における海水の運動によっておこる浸食作用を海食marine erosionという。…

※「ヤルダン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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