シルト(読み)しると(英語表記)silt

翻訳|silt

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シルト」の意味・わかりやすい解説

シルト
しると
silt

地質学岩石学では細粒堆積(たいせき)物の粒径区分の一つで、256分の1~16分の1ミリメートルの粒径の粒子シルトとする。土壌学では土壌の構成粒子のうち0.002~0.02ミリメートル(国際法の規定)の粒径の範囲をいう。いずれも砂と粘土の中間の大きさをさすが、その限界値の決め方は、学問分野により、また学派によって多少の違いがある。微砂と訳すことがある。

 地質堆積物として扱うシルトは、河川の運搬物質が海底に堆積するときに懸濁水からもっとも速く沈下する粒径にあたる。土壌学で扱うシルトは風化過程で生成する微粒子で、砂粒よりは石英片に乏しく、二次鉱物としての粘土粒子のような化学的風化生成物には至っていないものとみなされる。

[浅海重夫・渡邊眞紀子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シルト」の意味・わかりやすい解説

シルト
silt

細砂と粘土の中間的なあらさの土粒子から構成される沈泥で,土質力学では粒径が 0.074~0.005mm (地質学上の分類では1/16~1/256mm) の範囲のものをいう。懸濁状態で運ばれる砕屑物としては最大粒度に近く三角州前面などで堆積する場合が多い。一般に荷重支持力が小さく,流動的で,変形を生じやすい。

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