ユーロ債(読み)ユーロさい(英語表記)euro-bond

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユーロ債」の意味・わかりやすい解説

ユーロ債
ユーロさい
euro-bond

別名,国際債 internationl bond。通貨母国以外にある通貨を用いて発行される債券をいう。無記名で源泉徴収税や取引所税が免除されるのが特色である。幹事団のもとに複数の金融機関による引受シンジケートが組織されて販売される。流通市場も発達しており,ヨーロッパの主要な証券取引所に名目的に上場されているが,実際は店頭取引が中心。業者間の取引は電話やテレックスを用い,ユーロクリアやセデルで国際的な決済が行われ,市場規模の拡大,決済の効率化,決済リスクの軽減などに結びついている。ユーロ債の始まりは,1963年にアメリカがドル防衛のために利子平衡税などの一連の対外投資規制を行なったことから,それまでアメリカで行われていた低コストの外債発行が困難となったためユーロ市場でドル建外債の発行が行われるようになったことによる。ユーロ円債は国内起債コストが高いことや各種の規制が強いことに加え,84年5月の日米円ドル委員会の合意を受けたユーロ円債発行規制の緩和によって,発行は急激に拡大している。

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