ヨウ化鉄(読み)ヨウカテツ

化学辞典 第2版 「ヨウ化鉄」の解説

ヨウ化鉄(Ⅱ)
ヨウカテツ
iron(Ⅱ) iodide

FeI2(309.65).鉄とヨウ素を封管中で加熱すると無水物が得られる.赤褐色黒色の板状晶.密度5.32 g cm-3.融点587 ℃.常磁性で,潮解性がいちじるしく,褐色液になる.エタノールエーテルに可溶.乾燥空気中では安定である.空気中で加熱すると酸化鉄(Ⅲ)になる.水溶液は淡緑色で50 ℃ 以上では黒色になるが,冷やせばもとの色に戻る.四水和物は暗緑色りん片状晶.密度2.78 g cm-3.90~98 ℃ で融解する.いちじるしく潮解性で,冷水に易溶.熱水で分解する.また,光によっても分解してヨウ素を遊離する.層間化合物へのヨウ素のインターカレーションに用いられる.[CAS 7783-86-0:FeI2][CAS 7783-86-0:FeI2・4H2O]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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