日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨスジフエダイ」の意味・わかりやすい解説
ヨスジフエダイ
よすじふえだい / 四条笛鯛
common bluestripe snapper
[学] Lutjanus kasmira
硬骨魚綱スズキ目フエダイ科に属する海水魚。太平洋側は静岡県以南、日本海側は富山県以南の南日本沿岸、東南アジア、オーストラリア、ポリネシアなど太平洋、インド洋、紅海に広く分布する。スジタルミとよぶ地方がある。南西諸島にはとくに多く分布し、琉球(りゅうきゅう)諸島ではビタローとよばれる。体は楕円(だえん)形で、やや側扁(そくへん)する。前鰓蓋骨(ぜんさいがいこつ)の後下隅のくぼみは深い。体は黄色みの強い黄褐色。体側に4条の黒く縁どられた青白色の縦帯があり、これが和名の由来となっている。全長は最大で約35センチメートルになるが、普通は20～25センチメートルのものが多い。沿岸岩礁域やサンゴ礁域の水深60メートル以浅で群泳することが多い。肉食性で小魚、甲殻類、頭足類などの小動物を食べる。熱帯域ではほとんど一年中産卵する。追込み網、一本釣り、刺網(さしあみ)などで漁獲される。淡紅色の肉で、やや美味である。刺身、塩焼き、煮つけなど家庭料理に用いられる。よく似たロクセンフエダイは体側に5条の青白色縦帯があることで本種と区別できる。
［赤崎正人・尼岡邦夫 2017年9月19日］
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