ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨハネス19世」の意味・わかりやすい解説
ヨハネス19世(20世)
ヨハネスじゅうきゅうせい[にじっせい]
Johannes XIX (XX)
[没]1032.11./1032.12.
第144代教皇(在位 1024~32)。本名 Romano。クレスケンチウス家に代わってローマの支配権を握った有力貴族,ツスクルム家の出身。1024年に兄の教皇ベネディクツス8世(在位 1012~24)のあとを継いで登位したときは世俗の一般信者であり,教皇座を贈賄で獲得したと非難された。1027年の復活祭で,ドイツ王コンラート2世(在位 1024~39)を神聖ローマ皇帝として戴冠したが,コンラート2世はローマ以外の地域で聖職にかかわる実権を握ることになった。貪欲で,教皇に適任ではなかったと一般的に評価されており,金銭と引き換えにコンスタンチノープル総大主教の承認に同意し,民衆の反対を受け撤回したという記録が残されている。
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