(読み)イ

デジタル大辞泉の解説

い〔ヰ〕【位】

[接尾]助数詞。
物事の順位・等級・位階などを表す。「第三」「従五
死者の霊を数えるのに用いる。「百の英霊」
計算の位取(くらいど)りを表す。「百の数」「小数点以下三
[名]くらい。位階。
「一品以下。初位(そゐ)以上を―と曰ふ」〈令義解・官位〉

い【位】[漢字項目]

[音](ヰ)(呉)(漢) [訓]くらい
学習漢字]4年
その物の置かれた場所や立場。「位相位置体位転位部位方位
官職などにおける地位・身分。「位階栄位王位学位官位高位皇位在位爵位叙位譲位即位退位地位優位
比べたり量ったりするときの基準。「単位本位
等級。また、順位を表す語。「一位首位順位上位段位品位
人の敬称。「各位
[名のり]くら・たか・ただ・ただし・つら・なり・のり・ひこ・ひら
[難読]三位一体(さんみいったい)・従三位(じゅさんみ)

くら‐い【位】[名]

《「座(くら)」に「居る」意から》
定められた序列の中での位置。地位。
㋐皇帝・国王などの地位。皇位。王位。帝位。「に即(つ)く」「を譲る」
㋑官職などにおける身分の段階。等級。「三位(さんみ)の」→位階
地位・身分の上下関係。階級。
出来のよしあし、品格などからみた、優劣の段階。
㋐物事の等級。
㋑連歌・俳諧・能楽などで、作品や所作の品位。
十進法での数の段階。また、その位置の名。「十の位」「百の位」などという。表は位の名の一例であるが、恒河沙から無量大数までを八桁とびにする説もある。
[補説]数の位の名称(「塵劫記」より)
1068無量大数
1064不可思議
1060那由他(なゆた)
1056阿僧祇(あそうぎ)
1052恒河沙(ごうがしゃ)
1048極(ごく)
1044載(さい)
1040正(せい)
1036澗(かん)
1032溝(こう)
1028穣(じょう)
1024𥝱(じょ)
1020垓(がい)
1016京(けい)
1012
108
104
103
102
10
1
10-1分(ぶ)
10-2厘(りん)
10-3毛(もう)
10-4糸(し)
10-5忽(こつ)
10-6微(び)
10-7繊(せん)
10-8沙(しゃ)
10-9塵(じん)
10-10埃(あい)

(※𥝱は秭(し)の記載誤りとも)
将棋で、敵陣を制圧する位置。特に、盤面の中央をいう。
芸道などで、実力の程度。到達した境地。芸位。
「我が―のほどを能々(よくよく)心得ぬれば」〈花伝・七〉

くらい【位】[副助]

[副助]《名詞「くらい(位)」から。中世以降の語。「ぐらい」とも》名詞、および活用語の連体形に付く。
おおよその分量・程度を表す。ほど。ばかり。「一〇歳の男の子」「そので十分だ」
おおよその基準となる事柄を表す。「声も出ないびっくりした」「犬人間に忠実な動物はいない」「目に見えない小さい」
(多く「くらいなら」の形で)事実・状態を示して、程度を軽いもの、または重いものとして強く主張する意を表す。「簡単に否決されるなら、提案しなければよかった」

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世界大百科事典 第2版の解説

くらい【位】

能,狂言の用語で,演技・演出全般を規定する理念。奏演する演目の曲籍(初番目脇能,二番目修羅能,三番目鬘能,四番目雑能,五番目切能)や曲柄(神舞物,序ノ舞物,早舞(はやまい)物,神楽物,狂女物老女物など)・級位(大習(おおならい),重習(おもならい),九番習(くばんならい)など)と,演ずる人物の役種(シテワキ,アイ,地謡など)と役柄(老人,女,男,僧,神,鬼など)の別をそれぞれ把握し,理解したうえで作られる全体的な表現方法。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

い【位】

( 接尾 )
助数詞。
等級・順位・位階などを表す。 「第一-」 「従三-」
計算の位取くらいどりを表す。 「小数点以下第五-」
死者の霊を数えるのに用いる。 「英霊五十-」

くらい【位】

〔「くらい(座居)」の意〕
天皇の地位。また、その地位にあること。皇位。 「 -を譲る」 「 -に即く」
朝廷・国家から与えられる、身分・等級・称号など。 「 -を極める」 → 位階
ある集団内での地位・身分の上下関係。 「棋聖の-」
〘数〙 数をアラビア記数法で表示した一つの桁について、記数法の約束によりその桁に表示された数に乗ずべき数が n であるとき、その桁を n の(または n に対応する命数の)位という。たとえば十進法の整数で下から五桁目は万の位。
作品の品位・風格。 「付句の-とはいかなる事にや/去来抄」
芸道上の力量の程度。到達し得た境地。 「この-を得たらん上手こそ天下にも許され/風姿花伝」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

【位】

[1] 〘名〙
① くらい。座居(くらい)。位階。
※正法眼蔵(1231‐1253)心不可得「仏祖の位に証せる国師に」
② =い(威)
※浮世草子・椀久二世(1691)上「太夫職ことの外に見さめして位(イ)のないばかりにあらず」
[2] 〘接尾〙
① 物事の順位、等級、位階などを表わす。
※源氏(1001‐14頃)乙女「御車十五、御前四ゐ五ゐがちにて」
② 死者の霊を数えるのに用いる。「英霊百位」
③ 計算上のくらい取りを表わす。「十位の数」「小数点以下二位」

くら‐い ‥ゐ【位】

[1] 〘名〙 (高く大きく設けた席「座(くら)」に「ゐる」(すわる)の意から)
[一] 身分上の地位。
① (天皇の玉座の意から) 天皇の地位。皇位。また、天皇の地位にあること。在位。
※続日本紀‐天平宝字二年(758)八月一日・宣命「年長く日多く此の座(くらゐ)に坐せば」
② 朝廷の席次。等級。位階。
(イ) 皇族・臣下の朝廷での席次。その制度は推古天皇一一年(六〇三)の冠位十二階に始まり、数次の改訂を経て、大宝令(七〇一)の位階制が平安時代以降も長く行なわれた。親王・内親王は一品(いっぽん)から四品(しほん)までの四階、諸王臣下は位と称して一位から初位(八位の下位)まで九等級を、それぞれ正・従(初位は大・少)に分け、四位以下はさらに上・下を区別して三〇階とした。
※書紀(720)天武一四年正月(寛文版訓)「更に爵位(クラヰ)の号を改む。仍て階級(しなしな)を増し加ふ。明位(みょうゐ)二階、浄位四階、階毎に大広有り」
※徒然草(1331頃)三八「位高くやんごとなきをしも、すぐれたる人とやはいふべき」
(ロ) 僧侶の功績を賞して朝廷から賜わる位階。僧位
※三代格‐三・貞観六年(864)二月一六日「定僧綱位階事。〈略〉国典所載、僧位之制、本有三階、満位・法師位・大法師位是也」
(ハ) 明治二二年(一八八九)以降、華族、勅奏任官、または国家に功労のあった者を表彰するために与える称号。一位から八位までを各正・従に分け、一六階とする。四位以上は勅授、五位以下は奏授された。
③ 特定の社会集団での地位、身分の上下関係。階級。格式。また、その重要な地位。
※十問最秘抄(1383)「点者の位の人は、才覚は殊にありたし」
※歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)(1789)三「こちの抱(かか)へは名山といふて、松の位の太夫職」
[二] (令制下、官職にはそれに相当する位階が定められていて、たとえば左大臣は正・従二位、大納言には正三位の者を任じるというように、位を以て官をも表わしたところから) 官職の地位。つかさ。身分。
※古事記(712)下「先づ大臣の位(くらゐ)を給ひて、明日上り幸(い)でまさむ」
※更級日記(1059頃)「后のくらひも何にかはせむ」
[三] 特定の分野での、力量の程度や到達し得た境地。
※観智院本三宝絵(984)下「六根をきよめて仏の境界に入り、諸のさはりをはなれて菩薩の位に入むと思ひ」
※徒然草(1331頃)一五〇「堪能のたしなまざるよりは、終に上手の位にいたり」
[四] 人、または作品の品位。風格。貫祿。
※所々返答(1466‐70)「句の面白をば、傍(かたはら)になして、ひとへに位に心をかけ、たけ、面影、しなを旨とすべしとなり」
※俳諧・去来抄(1702‐04)修行「牡年曰、『附句の位とはいか成事にや』去来曰、『前句の位を知りて附る事也〈略〉』」
[五] 兵法で敵を制圧する位置。陣形。
※軍法極秘伝書(1579頃か)四「味方着陣の夜、物見をつかひくらゐを見、夜討をする事習ひなり」
[六] 囲碁・将棋の用語。(五)から、将棋では敵陣を制圧する位置。盤面の中央に最も位があるとされる。将棋の格言に「5五の位は天王山」とある。
[七] 十進法で、数を表わしたときの並べられた数字の位置。「百の位」「千の位」「十分の一の位」などという。二進法、五進法などでも準用される。
[2] 〘副助〙 (「ぐらい」とも。体言または活用語の連体形をうけて程度を表わす。中世以後、生じた用法)
① おおよその数量・程度を示す。ほど。ばかり。
※虎明本狂言・鏡男(室町末‐近世初)「かしらをゆへは十位(クラヰ)も二十くらひもうつくしう見ゆると申が」
※歌舞伎・傾城仏の原(1699)一「越前の国主を梅永刑部殿と申すは、某と同年位と聞く」
② 比較の基準を示したり、あるいは、程度を軽いもの、または、重いものとして強調したりする。ほど。ばかり。
※太平記(14C後)二九「げにも頭を延べて参る位ならば」
※滑稽本・七偏人(1857‐63)初「食物本草とも言れるくらいな大愚先生だから」
[語誌]((二)について) (1)副助詞としての用法は、古代には「ばかり」が担っていたが、中世には「ほど」に移り、中世以降、次第に「くらい」が用いられるようになった。用例は、江戸時代後期になると口語資料に多く見られるようになる。地の文では、江戸時代後期になっても「くらい」よりも「ほど」が用いられることが多い。
(2)江戸時代には、名詞に付くばあいは濁音、コ・ソ・ア・ドに付くばあいは清音、活用語に付くばあいは清濁両形をとる傾向がある。
(3)ほとんどのばあい「ほど」と置き換えが可能であるが、②の用法のうち「程度を軽いものとして強調する」用法については、「ほど」と置き換えができない。

くらい‐・する くらゐ‥【位】

〘自サ変〙 くらゐ・す 〘自サ変〙 場所や地位をしめる。位置する。
※史記抄(1477)三「二十八宿は一方に七づつあるぞ。〈略〉ちっとあわいがありて位するぞ」
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「塩湖府は、北緯四十一度三十分、西経百十四度零に位し」

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