ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベネディクツス8世」の意味・わかりやすい解説
ベネディクツス8世
ベネディクツスはっせい
Benedictus VIII
[没]1024.4.9.
ツスクルム出身とされる第143代教皇(在位 1012~24)。本名 Teofilatto。有力貴族ツスクルム家の出身。前任のセルギウス4世(在位 1009~12)はツスクルム家と敵対するクレスケンチウス家が擁立した教皇だったが,その死後に後継として同家が推薦した対立教皇のグレゴリウス6世(在位 1012.5.~12.)を退けて登位した。神聖ローマ皇帝としてハインリヒ2世(在位 1014~24)を戴冠し,関係を維持した。北イタリアへ侵攻したサラセンを駆逐し,ノルマン人を援助して南イタリアのビザンチン帝国の勢力と対抗するなど,軍事遠征に力を入れた。またクリュニー修道院の院長オディロと親交を深め,ベネディクト会が主導する修道院改革運動を支援し,聖職者の結婚と聖職売買を禁じた。死後,ローマ市長を務めた弟がヨハネス19世(20世。在位 1024~32)として教皇位を引き継いだ。
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