知恵蔵 の解説
ラグビーワールドカップ2019日本大会
ラグビーワールドカップは1987年に第1回大会が行われ、その後4年に1度ずつ開催されて、日本大会が9回目となる。この2019年大会には日本、南アフリカ、イタリアの3カ国が立候補していたが、09年7月に行われた国際ラグビー評議会((International Rugby Board)=ワールドラグビーの前身組織)の理事会において、日本での開催が決定した。会場がアジアとなるのは、19年大会が初である。
大会参加国は、まず開催国である日本。前回の15年大会において、5カ国ずつ4つのグループで行われた各リーグ戦の上位3位までに入ってベスト12入りしたニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン、ウェールズ、フランス、アイルランド、スコットランド、イングランド、ジョージア、イタリアの11カ国(日本もベスト12入りしたが開催国のためここでは除く)。それにヨーロッパ、オセアニア、アフリカ、アメリカの世界各地区の予選及びプレーオフを勝ち上がったロシア、フィジー、トンガ、サモア、ナミビア、アメリカ、ウルグアイ、カナダの8カ国。計20カ国が参加して行われる。
大会会場として日本国内の15の都市が立候補したが、札幌市、岩手県・釜石市、埼玉県・熊谷市、東京都、神奈川県・横浜市、静岡県、愛知県・豊田市、大阪府・東大阪市、神戸市、福岡県・福岡市、熊本県・熊本市、大分県の12の都市で開催されることが、2015年3月に行われたラグビーワールドカップリミテッドの理事会で決定した。
大会は出場する20カ国を5カ国ずつ4つのグループに分けてリーグ戦を行い、それぞれのグループで上位2位までに入った8カ国で準々決勝、準決勝、決勝戦がトーナメント方式で行われる。また準決勝で敗れた2カ国で、3位決定戦も行われる。
日本は過去のワールドカップ8大会すべてに出場しており、今回で9大会連続9回目の出場となる。しかしこれまで勝ち星を挙げたのは、1991年の第2回大会でのジンバブエ戦(52対8)、2015年の第8回大会での南アフリカ戦(34対32)、サモア戦(26対5)、アメリカ戦(28対18)の4試合しかなく、トータルで4勝22敗2引き分けという結果しか残せていない。15年大会では5カ国による予選リーグで、上記のように3勝を挙げた。特にワールドカップで2度の優勝を誇る強国・南アフリカに勝利したときには、“ジャイアントキリング”“スポーツ史上最大の番狂わせ”などと世界中に衝撃を与えたが、勝ち点の差で上位2チームには入れず、ベスト8入りして決勝トーナメントに進むことはできなかった。地元開催となる19年大会では、初のベスト8進出、さらにはそれ以上となる結果が期待されている。
(場野守泰 ライター/2019年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報