日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラブレニョーフ」の意味・わかりやすい解説
ラブレニョーフ
らぶれにょーふ
Борис Андреевич Лавренёв/Boris Andreevich Lavrenyov
(1891―1959)
ソ連の劇作家。モスクワ大学法学部に学び、作家活動に入る。初めは主として短・中編小説を書くが、1925年、戯曲『煙』の発表後劇作に手を染め、晩年は劇作に専念した。代表作の巡洋艦アウローラ号の反乱を扱う『破砕』(1927)は各地で上演を重ね、初期ソビエト演劇の確立に寄与するところ大である。ほかに『黒海艦隊員の歌』(1943)、『アメリカの声』(1950)、伝記劇『レールモントフ』(1952)などが知られ、いずれもロマン的色彩、劇的葛藤(かっとう)に富み、登場人物の内面心理の掘り下げに巧みで、対話は独特の妙味がある。『風』(1924)、『41番めの男』(1926。映画邦題『女狙撃(そげき)兵マリュートカ』)などの小説もある。
[柳 富子]