日本大百科全書(ニッポニカ) 「リュウゼツサイ」の意味・わかりやすい解説
リュウゼツサイ
りゅうぜつさい / 竜舌菜
[学] Lactuca indica L. var. dracoglossa Kitamura
キク科(APG分類:キク科)の一年草。東アジアに広く自生するアキノノゲシの変種とされる。中国南部で栽培化され、日本へは昭和の初めころに台湾から導入された。飼料とくにニワトリの餌(えさ)として養鶏業者が栽培していたが、いまでは野生化して、空き地や野原に生えている。草丈は1~2メートルになり、葉は無柄で長さ20~40センチメートル、幅7~15センチメートル、先がとがり、大きく切れ込みがあって、竜の舌の形に似ている。名は、この葉形による。秋に茎の頂部に枝が出て、径2センチメートルの黄色の頭状花を多数開き、白い毛のある黒い種子が風に舞って散る。
品種というほどの分化はないが、葉がほとんど切れ込みのない早生(わせ)系のもの、大きく裂けた葉で、葉質が柔らかく白緑色の晩生(おくて)のものなどが区別される。葉の中央脈に沿って紫斑(しはん)のあるものもある。中国大陸南部や台湾では若葉を野菜とし、順次掻(か)き取って、ひたし物や和(あ)え物、油炒(いた)めにして食べる。
[星川清親 2022年5月20日]