日本大百科全書(ニッポニカ) 「ル・グロ・クラーク」の意味・わかりやすい解説
ル・グロ・クラーク
るぐろくらーく
Sir Wilfrid E. Le Gros Clark
(1895―1971)
イギリスの解剖学者、人類学者。ロンドンのセント・トマス病院で医学の教育を受け、軍医となったのち、ロンドン大学、セント・バーソロミュー病院、セント・トマス病院などで医学を教えた。1934年オックスフォード大学の解剖学教授となり、1955年ナイトの称号を受けるとともにロイヤル・ソサイエティー会員となった。多くの名誉学位や賞を受け、1956年には人類学者最高の名誉とされるバイキング・メダルを受賞した。人類進化に関して多くの研究を行うとともに、霊長類の比較解剖学の基礎をつくった。また多くの啓蒙(けいもう)書を書き、とくに『霊長類の進化史』History of the Primatesは簡明な文章によって有名である。
[埴原和郎 2018年11月19日]