ル・センヌ(英語表記)Le Senne, René

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ル・センヌ」の意味・わかりやすい解説

ル・センヌ
Le Senne, René

[生]1882.7.8. エルベフ
[没]1954.9.1. パリ
フランスの唯心論哲学者。 O.アムランに学び,1929~31年,42年以後ソルボンヌの道徳哲学講座を担当。 48年道徳政治学アカデミー会員。 L.ラベルとともに指導した哲学叢書の名によって「精神の哲学」の代表者とされる。人は一方で超越的,絶対的価値の世界を分有し,他方粗野な現実の世界に生き,障害にぶつかることによって価値を実現し,自己を創造していく。宗教自我限界をこえて絶対的価値と一致しようとするものであるとした。主著は『義務』 Le Devoir (1930) ,『一般道徳概論』 Traité de morale générale (30) ,『神の発見』 La Découverte de Dieu (55) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「ル・センヌ」の意味・わかりやすい解説

ル・センヌ
René Le Senne
生没年:1882-1954

フランスの哲学者。ソルボンヌ大学教授(1929-31,1942以降)。L.ラベルとともに〈精神の哲学〉を主唱し,第1次世界大戦後の〈戦間期〉の不安時代に,精神主義的合理主義の立場から道徳論,価値論を論じた。おもな著作に,《哲学入門》(1925),《義務論》(1930),《一般道徳論》(1943)ほかがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android